丸くなること・頑固になること

最近つらつらと考えたことです。

 

歳をとると丸くなる、というのは真実だと思います。若い頃に抱えた悩みも怒りも劣等感も恨みも、時間が解決してくれるものがたくさんあります。気力体力が衰えてきて、悩んだり怒ったりすることにはもの凄いエネルギーが必要な事がわかってきたりもします。

 

でも、歳を重ねるごとに自分が作りあげた小さな世界の枠を越える、風穴を開けて広がらせる、大きくさせることも難しくなっていくように思うのです。チャレンジでさえ、結局は自分の出来上がった小世界のなかでの発想になってくる。日本の社会も歳をとることに優しくないから、のびのびと冒険は出来ないと思わせる。そうしたなかで、だんだん自分という枠のなかでぐるぐるしてしまう。丸くなったようで実は頭が固い、頑固になっていくんだな…と思うのです。

 

でも、それは良くないことなのか。脳の老化現象として人間としては自然な事かもしれません。だから勿体ない、つまらないと思うこと自体、老いを否定する行為で、無意味なのかもしれません。でも60代くらいまでは、自分が思うよりももっと色々なことが出来るんじゃないかなーと思ったりもするのです。

 

固まりだした人間をその気にさせるには、何か印象的な、もしかしたら衝撃的な、試練のような出来事が必要なのかも知れません。だからいくつになっても、起こることには全て意味があるとも言えますね。